胎児の相続権

2015年6月26日 カテゴリ: 相続

皆さん、こんにちは。
相続・事業承継をサポートする大田区蒲田の松島税理士事務所です。
  
  
胎児にも相続権はあります。
  
民法886条ですね。
  
相続発生時に相続人が妊娠していた場合は、その胎児も相続人になれます。
ただし、生きて生まれてからという条件付きで。
  
遺産分割協議は、生まれてから行うことになりますね。
もちろん、胎児は協議に参加は出来ませんが、未成年なので法定代理人である父母どちらかが、代理参加ということになりますね。
  
しかし、遺産分割協議の場合は父母は代理人にはなれません。
  
「利益相反」となるからです。
  
このような場合は、特別代理人をたてます。
特別代理人を立てずに行った遺産分割協議は、無効です。
  
特別代理人の立て方の詳細は省略しますが、ここで素朴な疑問です。
  
胎児っていつから?
  
「妊娠してます」と言っても、極端な話、妊娠1日でも妊娠中ですよね…
  
医学的には、胎齢8週目以降(妊娠10週目以降)を「胎児」と言うらしいですね。
  
胎齢8週目とは?
  
通常、妊娠○週と言うと、前回の月経開始日を0日として、〇週と数えるそうですが、胎齢は、そこからマイナス2週間だそうです。
  
つまり、妊娠10週目以降。
下手したら妊娠に気づかない人もいますね。
  
では、相続発生時に妊娠10週未満であったら相続権はないのか?
  
民法でも税法でも、そこまでは定義していませんが、同じ被相続人の子供なのに権利が変わるのはおかしいですよね。
  
医学的には胎児ではなくても、無事に生まれてくれば相続権はあります。
  
被相続人と血が繋がっていない場合は、認知すれば相続権が得られます。認知については、またの機会に。
  
  

〈民法〉
  
(相続に関する胎児の権利能力)
第八百八十六条
 胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。
 前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。