相続放棄ができない連帯保証債務と債務控除

2015年6月30日 カテゴリ: 相続

皆さん、こんにちは。
相続・事業承継をサポートする大田区蒲田の松島税理士事務所です。
  
  
被相続人が家族に内緒で知人等の連帯保証人になっていたら、連帯保証債務は相続されるのでしょうか?
  
連帯保証債務も相続されます。
  
そして、この場合は、相続があったことを知った日から3か月以内に相続放棄すれば、連帯保証債務からは逃れられます。
  
しかし、家族に内緒にしているケースも多く、気付いた時には相続放棄の期限(3か月以内)が過ぎていたという事も多いですね。
その場合、原則は相続放棄は出来ませんが、判例により認められたケースもあります。
  
しかし、既に他の財産を処分した後だったとか、今更、プラスの財産も放棄したくないという場合には、相続放棄をしたくても出来ませんよね。
   
「債務は遺産分割しただけではダメ」でも記載のとおり、連帯保証債務は法定相続分で相続することになります。
  
  
では、被相続人の債務の連帯保証人になっていた場合は?
  
連帯保証債務は相続されません。
  
正確に言いますと、この場合の連帯保証債務は、相続財産ではありません。
  
連帯保証契約は、債権者と連帯保証人との間の契約だからです。
連帯保証債務が相続されるのは、連帯保証人が死亡した時です。
   
    
連帯保証債務は債務控除できるの?
  
出来ません。
  
正確に言いますと、場合によっては債務控除が可能です。
  
債務者が資力に問題がなく、毎回期日までに返済をしている場合などは、債務控除は出来ません。(債務が確定していないため)
  
しかし、相続開始時に債務者が既に破産していた場合などは、債務控除が可能となります。
  
   

<相続税法>
  
(債務控除)
第十三条
 相続又は遺贈(包括遺贈及び被相続人からの相続人に対する遺贈に限る。以下この条において同じ。)により財産を取得した者が第一条の三第一号又は第二号の規定に該当する者である場合においては、当該相続又は遺贈により取得した財産については、課税価格に算入すべき価額は、当該財産の価額から次に掲げるものの金額のうちその者の負担に属する部分の金額を控除した金額による。
 被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの(公租公課を含む。)
 被相続人に係る葬式費用
    
第十四条 前条の規定によりその金額を控除すべき債務は、確実と認められるものに限る。
2  前条の規定によりその金額を控除すべき公租公課の金額は、被相続人の死亡の際債務の確定しているものの金額のほか、被相続人に係る所得税、相続税、贈与税、地価税、再評価税、登録免許税、自動車重量税、消費税、酒税、たばこ税、揮発油税、地方揮発油税、石油ガス税、航空機燃料税、石油石炭税及び印紙税その他の公租公課の額で政令で定めるものを含むものとする。
   
   
<相続税法基本通達>
 
(連帯債務者及び保証人の求償権の放棄) 
8-3
 次に掲げる場合には、それぞれ次に掲げる金額につき法第8条の規定による贈与があったものとみなされるのであるから留意する。(昭57直資2-177改正)
  
(1) 連帯債務者が自己の負担に属する債務の部分を超えて弁済した場合において、その超える部分の金額について他の債務者に対し求償権を放棄したとき その超える部分の金額
   
(2) 保証債務者が主たる債務者の弁済すべき債務を弁済した場合において、その求償権を放棄したとき その代わって弁済した金額